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エルヴィスでしか見かけないボタンダウンシャツ

2016.02.18

エルヴィス・プレスリーは1954年の夏、地元メンフィスにある、R&B等のブラック・ミュージックを中心とした録音やカントリーのシングル盤などをリリースしていたサン・レコードからデビューします。
サンの社長、サム・フィリップスはエルヴィスの声を聴き、それまでの音楽には無い可能性を導き出して新しいタイプの音楽を創造していきます。
それらはロックンロールとか後にロカビリーなどと分類されてこのレーベルの代名詞と成って行きますがサム・フィリップスがエルヴィスに可能性を見出した原因には声は勿論、実はルックスも有ったと思います。
サンに在籍していた1954-55年のエルヴィスは奇抜なアイテムが混じったファッションが多々見受けられ自身が展開する新しい音楽に合わせファッションも色々と取り入れて行く前向きな姿勢が見受けられます。
そんな時代のアイテムは現代のヴィンテージ市場でもあまり出てくる事の無いものが多いのですが、今回注目したのは1955年1月から7月あたりまで愛用したと見られるボタンダウンシャツです。
ボタンダウンといっても通常のものとは違い襟の裏側からボタンを留める変則タイプです。
このタイプは50sのSPORTOPなどのブランドで存在は確認されていますが着用しているのが判る写真となるとエルヴィスくらいで1950年代のファッションとしては一般に認識されていない形です。

 

新しいタイプの音楽とファッション

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襟部分にダブル・ステッチ、襟の裏側は黒い生地です。
このパターンはむしろ最近のYシャツに見受けられ、結果的には半世紀以上時代を先取りしていたとも云えます。
ネクタイを締めていますが。襟芯なども無く生地は柔らかめなのかロールして膨らんだ襟がややシワになって潰れています。
ネクタイを締めるためのシャツなのかいまひとつ判断しかねる不思議な作りです。

 

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1955年2月19日のルイジアナ・ヘイライド出演時。
主にラジオショウを中心としていた、カントリーミュージックのイベントで沢山のカントリーシンガーが歌うなか、司会者はエルヴィスを新しいスタイルのシンガーとして紹介し、数曲歌います。
ですからエルヴィスのファッションは競演する他のカントリーシンガー達と違う路線を選ぶ必要があり、意識的に避けているアイテムも出てきます。
当時のバックバンド、スコッティ・ムーアとビル・ブラックも初期は刺繍入りのウエスタン・シャツでネクタイ姿のエルヴィスに混じりバンド写真を撮っていますが、1955年になると実際のライブ写真ではYシャツにネクタイといったスタイルしか残されていないのでエルヴィスのイメージが特定の音楽ジャンルで固定されないことを考えての選択だったのでしょう。

 

LOT.780  Roll Collar BD Shirt

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カテゴリー: Elvis Presley

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