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ラジオの普及とクルーナー【crooner】

2016.03.25

辞書などによるとクルーナーとは【crooner】
おさえた低い声でささやくように情緒をこめて歌う流行歌手。
ビング・クロスビーなどに代表される…
とあります。

自分はこのクルーナーと呼ばれる歌手達がお気に入りですが、ネット検索するとルディ・ヴァリー辺りが元祖の様です。
オペラに代表されるコンサートホールでマイクを使わなくても聴衆に聞こえる大きな声が出る発声法が元々は当時の流行歌の中心でした。

しかしマイクロフォンの普及によりマイクの特性を利用した歌唱法が1920年代後半辺りから浸透していき彼らはクルーナーと呼ばれます。
今では1920年代のクルーナー達の録音は簡単にyou-tubeなどで聴く事が出来ますが。
聴く限りクルーナー唱法は1930年代半ばから後半辺りで進化、確立されていく感じがします。
初期のビング・クロスビーの声はマイクの特性を利用しているとはいえ、力強く声量豊かな印象で本当に柔らい印象になるのは30年代後半だと思います。
なのでルディ・ヴァリーとその後のビング・クロスビーを比べるとクルーナーの定義が分からなくなってきます。

ルディ・ヴァリーの人気をみると最初クルーナーは当時のアイドル歌手的な要素で紹介されていた所がありました。
なので女性はクルーナーとは言わないのです。
それとラジオ放送の普及もクルーナーには大きく関係している様で、やさしい歌い方はラジオを聴いている女性達には近くで自分だけに囁いている様にも感じられセクシーだったのです。
1930年代にビングは自分のラジオ番組を持つようになり人気が出ますが、そこでもマイクロフォンを用いた効果的な歌唱法を確立していった様です。

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1938年のシアーズカタログを見ると安く小型なラジオも出てきてます。

このくらいのサイズだと自分の寝室にも一台置いてクルーナー達の声を独占して聴く気分を味わう事が出来ますね。

日本でも1970年代に若者中心に深夜のラジオ放送が流行りましたが、当時の女性達にクルーナーが流行っていったのも自分だけが独占している様なリスナーとの近い距離感、という点では似ているかも知れません。

初期のマイクロフォンによるラジオ放送は音量が大きすぎると音が割れてしますので必然的に生まれたという側面もありますがビングなどのソフトなのに豊かに感じられる声というのは簡単そうで難しく、元々声量がある人があえて柔らかく歌わないと巧く聞こえないのではと思います。

 

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1950年代のロックンロール時代は1920代~30年代のクルーナー時代よりは音響機材が発展していますが、クルーナーとは真逆の音割れを逆手にエレキギターなども割れた音での録音が出たり、ヴォーカルスタイルも割れた音で録音された物が売れたりしています。
50年代のリトル・リチャードはその代表格、面白い事に60年代に移籍して同じ曲を録音しても50年代録音の様な迫力は薄れています。
スペシャリティレーベルの声が割れた録音が自然で良いのです。
真空管時代の録音は割れた音もいま聴くとちょうど良い迫力に感じられます。
エルヴィスのハウンド・ドックにも同じ効果があります。
RCAの録音エンジニア達もロックンロールに対しての答えがないから偶発的に生まれた音割れも音楽の一部と考えてやさしい音で録らなかったのは素晴らしい判断でした。

その後エルヴィスも独自の表現でのクルーナースタイルが増えますがハウンド・ドックからは想像できないですね。

結局ビングもエルヴィスも歌唱力があるのに抑えの表現も出来るところがクルーナーたる所以なのでしょう。

 

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エルヴィスのエド・サリバン・ショウ出演【Waist Up Only】

2016.03.24

エルヴィスがエド・サリバン・ショウにTV出演したのは合計3回
後に徴兵されるので結果、50年代最後のTV出演となってしまった57年1月6日は上半身しか画面に映っていない話は有名ですが、エルヴィス自身が考えたであろう演出でこの最後のTV出演は意外な効果を出しています。
上半身しか映らないという事は必然的に顔のアップが多くなりますが、過去にTV出演した映像に比べてもこの日のエルヴィスの髪は動きにあわせて何時も以上にどんどん乱れていくのです。

意識的にそうしたと分かるロックンロールな演出です。

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リハーサルの写真。

諸説ありますがエルヴィスの上半身しか収めないという事はこの日の出演者とエルヴィスだけ違うステージ配置だった事をみても分かります。

このステージセット、本番は映らないのですよね。

通常はドラムセット等を置いて段差でオーケストラメンバー全てが見える様にする台の上に何故か?エルヴィスとジョーダネアーズを配置します。

段差があるので動きすぎるとステージから落ちてしまうので定位置から離れない分、カメラはアップで収め易くなります。

そもそも上半身しか映さないのだし、そこまで高くする必要があるのか?

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通常セットはこう使います。

「ロック・アラウンド・ザ・クロック」のヒットで有名なビルヘイリーと彼のコメッツ。

ほぼ同じ舞台セットでしたが下に降りて歌っていますね。

 

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これは本番、歌う寸前…

まだ髪は整っています。

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そしてこうなります。

髪の動きも表情も上半身しか映されていない事で逆にアップになり皮肉にも良く分かります。

この顔つき、素晴らしいです。

 

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エド・サリバン・ショウは1時間番組で他にも出演者がいますがこの日エルヴィスは1回目、2回目ともに髪を振り乱す姿がクローズアップされます。

番組終盤この日3回目の出番、エド・サリバンはエルヴィスがこの後映画Running Wild(後にLoving Youに変更)の撮影でハリウッドへ向かい、撮影中にハンガリー難民救済の為のショーを予定しているなど説明、これから歌うのはエルヴィス自身こんな世の中にしたいというイメージの曲ということでにゴスペル曲の「Peace in the Valley」を紹介、エルヴィスもここは落ち着いた演出で髪も乱れず終わります。

歌い終わったあとエド・サリバンは「君は本当に素晴らしい」と褒め称えますが後にエルヴィス自身はラスベガスのステージで面白おかしく自虐的に当時のTV出演の話をネタにして観客を笑わせています。

 

LOT.786-08 Waist Up

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LOT.786-08 Waist Up
Price…9,200yen(No Tax)
Size…XS,S, M ,L
Color Black , White
Material…Cotton 100%

 

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カテゴリー: 706union Items,Elvis Presley

アーサー・クルーダップ【That’s All Right】

2016.03.23

エルヴィスが最初に発売したシングル盤は”That’s All Right”
オリジナルはアーサー”ビッグ・ボーイ”クルーダップのブルース曲です。
アーサー・クルーダップ自身がエレキギターを弾きながら歌い、バックはスラッピンベースとドラムのみの3人編成。
ロックでいう3ピースバンドのスタイルです。
エルヴィスが彼の演奏に魅力を感じたというのは想像に難くないのですがそもそも何故このブルース曲を知っていたのか?
この曲That’s All Rightは最初に発売された1946年当時はあまりヒットしておらず、後にエルヴィスがRCA移籍後カヴァーした”So Glad You’re Mine”の方がR&Bチャートで3位まで上昇しています。

彼にとっては当時はそちらの方が代表曲でした。

 

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40年代後半それまでの78回転SP盤から新しいタイプのレコード盤が開発発表されコロンビアは33 1/3回転のLPレコード、RCAビクターは45回転を発売して競うことになります。
1949年RCAビクターは人々の目を引くカラーレコードで45回転レコードを発売、当時の広告を見るとクラシックは赤、カントリーは緑、子供向けは黄色、リズム・アンド・ブルース(Blues and Rhythmと表記)はサクランボ色。
そこでアーサー・クルーダップに白羽の矢が立つのです。
最初のCerise(サクランボ)Color盤は”That’s All Right”でした。

 

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カラー盤が発売された1949年のエルヴィスはヒュームズハイスクールへ通う14歳でおそらくラジオも色々と聴いていたのでしょう。
当時エルヴィスが住んでいた南部メンフィスはブルース専門のWDIAなどのラジオ局もありましたが、通常のラジオ局でもRCAビクターから発売されるカラー盤はジャンル問わずオンエアした可能性があり”That’s All Right”はその時に聴いたのでは?

エルヴィスは後に「目標があったとしたらアーサー・クルーダップのような存在になることだった。彼を観た時(聴いた?)にあんなふうに演りたいと思ったんだ」と答えています。

エルヴィスは彼を含めたデルタ・ブルースシンガーに敬意を称してこう呼んでいます。

「Real Low Down Mississippi Singers…」

 

 

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カテゴリー: 706union Items,Elvis Presley,Music

半袖ニットシャツ【Chain SS Knit】

2016.03.21

新作のニットシャツの紹介です。
50sのコットンニットをベースに、編み方やカラーリングをアレンジ、再構築したニットシャツです。
参考にしたヴィンテージは刺繍が加わりやや厚手の織りでしたが、ジャガード織で統一して薄めに着易く仕上げました。
デニムは勿論、ワークパンツやスラックスとも相性抜群です。

 

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1949年のカタログから…
この手のデザインが最も多く存在したのは1950年前後で、ここではCotton Knit Tee Shitsという扱いで紹介されています。
手軽に洗えるニットTシャツという感じでサマーニットという売り出し方は50年代に入ってからの方が多い様です。

 

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50年代半ばになるとコットンニットは襟の付いたものが主流になってきてスポーツスタイルなどの売り出し方が付いたニットシャツが増えて行きます。

なので当時の映画で、襟なしクルーネックのカラフルなボーダー柄ニットの映像を見るのには1950年くらいに製作されたものが良いのです。
ハリウッドミュージカルのDVDを見るとバックダンサーにカラフルなニットを着用した男性を見つけられる確立が高いです。

昔のカラー映画はイメージ通りの色をとる為の技術も大変だった様で、大スクリーンに様々な色をちりばめてお客様を楽しませる事をかなり意識していました、モノクロからカラー映画への移行期らしい実験的映像配置を意識して観るのも面白いと思いますよ。

 

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Lot.792 Chain SS Knit
Price…13,800yen(No Tax)
Size…36,38,40
Color…Black , Yellow
Material…Cotton 100%

 

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カテゴリー: Select Items

エルヴィスが歌うミステリートレイン「MYSTERY TRAIN」

2016.03.20

エルヴィス・プレスリーがSUN時代に発表したシングル盤は5枚。
SUNレーベルでは実験的な録音が沢山あったにも関わらず結局LP盤は発売しないで残りの曲はRCAレーベルに渡したので、SUNのプロデューサー、サム・フィリップスが考えるエルヴィス・ベストはシングルで発売した10曲と云う事になります。

なかでも海外を中心に評価の高い曲は「MYSTERY TRAIN」かと思います。
しかし、SUNで最後に発売した曲にしては歌詞、演奏内容ともに他の曲に比べてもかなりシンプル、ドラムも入っていないのは不思議です。
サムは直観力を大事にするので、1950年代に始まるマルチトラック録音より、メンバー同士のグルーブ感から偶発的に生まれる古くからの一発録りを好んでいました。

本当か分かりませんがサムによれば「MYSTERY TRAIN」は何テイクか試したが、結局エルヴィスが失敗したと思い最後の部分で笑ってしまった最初のTAKE-1が良かったので採用したと後のインタビューで語っています。
これもエルヴィスの直観力を高く評価していたからの選択だったのでしょうか。

ジョニー・キャッシュはエルヴィスのギターのリズム感を高く評価していますが、バンドを牽引して行く能力というのはリズム感はもちろんですが、ドラムを使わない録音中心の彼だからこそ通常には分からない世界観があり、当時のエルヴィスにも同じものを感じていたのかも知れません。

この曲でのエルヴィスのアコースティックギターのグルーブ感は他の曲に比べてもトップクラスです。
ギターのスコッティ・ムーアは他の曲に比べても切れのあるギャロッピン奏法で更にグルーブ感を出す様に、エコーを強めでディレイ音を内臓型アンプで設定しています。
ベースのビル・ブラックはウッドベースの弦を指版に直接叩きつけてリズム音も同時に出すスラッピン奏法、通常のピチカートで出るベース音よりスラップの方がベース音自体も大きく鳴り、パーカッションの様なスラップ音も加わるのでこの曲には最大の効果を与えます。
この二人の鉄壁リズムを牽引しているのは間違いなくエルヴィスのリズムギター。
エルヴィスのギターコードストロークはドラムの様にいきなりアクセントを付ける所があり曲全体のメリハリがそこで違ってくるのです。

発売当時のオリジナル盤を聴くと三人で演奏しているとは思えないほどの音圧、迫力があります。

 

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もともとリズム&ブルースだった「MYSTERY TRAIN」の歌詞にはホラー的要素があります。
戦前からのブルースソングには列車もの、旅物が多く存在しますが、多くは本人の内情、不安感を歌詞にする事が多く、悪魔が出てきたり何か得体の知れない物が自分の家族、彼女、財産など、何かを奪って行く内容だったりします。
当時のブルースシンガー達はそれらの曲をレコードやラジオで聞くというより、小さな酒場などで実際に見聞きした歌詞を多少意識的に変えたり、または間違えて憶えてしまいそのまま歌われて引き継がれた場合もあり、それらは1950年代になり白人シンガーにも歌われてロカビリー、ロックンロールのスタンダードとして定着した例も多々あります。

ブルースの不安感は若者の不安定な心にも響いたのでしょう…

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「長く黒い列車が俺の彼女を連れ去ってしまった…」

最初に録音したのはジュニア・パーカー、彼のバージョンは素晴らしく不気味で、ジム・ジャームッシュ映画「ミステリー・トレイン」のエンディングで効果的に使われています。
対してエルヴィス版は全く雰囲気が違います。

エルヴィスは
「俺の彼女を連れ去っていってしまった、でも二度とそうさせない…」
「でも、彼女を連れ戻す、彼女は俺の物、すべて俺のもの…」
ここの部分を自身に満ちた感じで歌っていますが、一方ジュニア・パーカーの場合は悲しく切望している印象でブルース感満点です。

エルヴィスの解釈も未来ある若者らしく素晴らしいと思いますが、歌詞の内容についてサム・フィリップスと口論になったと言う話が最近の研究で明らかになった様です。
80年代に多くのロカビリーバンドがカヴァーした「Let’s Bop」などが有名なSUNの歌手JACK EARLSはエルヴィスが「MYSTERY TRAIN」を録音した際に居合わせ、SUNスタジオから自宅へ戻りジュニア・パーカー版のレコードを届けた事を憶えていたそうです。

最初エルヴィスは15両列車「fifteen coaches long..」と歌い
サムが16両列車「sixteen coaches long」だと指摘したところからオリジナル盤をエルヴィスに聴かせる為に自宅を往復する羽目になったのです。

fifteenもsixteenも歌の響きはどちらも良い雰囲気ですが意外とエルヴィスはワザとそう歌ってみて、一度中断となり、確認後正しく16両と歌い、照れ笑いしたのがリリースされたテイク、それがサムが選んだテイクだったのかも知れませんね…

 

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Lot.786-11
Price…9,200yen(No Tax)
Size…XS,S, M ,L
Color Black , White
Material…Cotton 100%

 

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カテゴリー: 706union Items,Elvis Presley,Music

定番デザイン、ロックンロールパンツの新作【Rock’n Roll Pants】

2016.03.19

定番のRock’n Roll Pants、新作のご紹介。

コットン100%素材で若干薄めのストライプ生地はこれからの季節にもちょうど良いアイテム。
1950年代のウエスタンパンツを再構築したシルエットはウエスタンスタイルに捉われない自由な組み合わせでのコーディネイトが可能です。
本来ウエスタンパンツの裾はシングルで履くのが良いとされますが、1950年代にあったノータックのワークパンツやスポーツタイプのトラウザーズのイメージで3.5~4.5cm幅のダブル裾にするのも、プレスしやすい生地なのでお勧めでしょう。

ストライプパターンは離れて見ると目立たなくなる位の太さのコントラストなので、Blackのパンツはちょっと印象が強すぎるけど、Blackに近い色で全体のコーディネイトを引き締めたいときなど、ちょうど良い明るさの色です。

 

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スリッポンシューズの場合は、この様にまとわり付かない位の裾丈が良いですね。

 

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Stripe Grayはコントラスト若干強め

 

 

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Stripe BrownはGrayよりコントラスト甘めという印象です。

 

 

Lot.706 Rock’n Roll Pants
Price…19,000yen(No Tax)
Color…Stripe Gray, Stripe Brown
Size…(W30xL31)、(W32xL32)、(W34xL33)、L(W36xL33)
Material…Cotton 100%

 

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カテゴリー: Information,706union Items

コットン ニット シャツ【Tri Tone SS Knit】

2016.03.18

新作の半袖コットンニットシャツをご紹介。
元になったデザインは1950年代に存在した長袖のウールセーターです。
3色カラーの個性的なデザインは、秋冬物セーターにとらわれず様々なコーディネイトに活躍できるのではと考え、素材にコットンを用い、厚くならない様に着易くシンプルに再構築しました。
伸縮性のある針抜きゴム編はジャストサイズで着れるのでジャケットのインナーにもお勧めです。

 

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画像は1957年のSPIEGELのカタログから、このデザインは他にもPuritanや編みがもっとシンプルになった違うものでも同じ3色パターンのウールセーターがあります。

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エルヴィスは1956年9月あたりから着用写真がいくつか見られますが、面白い事に長袖セーターを巻いていてずいぶん太くなっています。

1950年代当時は西海岸のさわやかな気候に適した半袖ウールシャツも確かに存在するのですが、これはちょっと暑そうです。

通常の長袖セーターで同じ様に巻いてみるのは難しいので袖を切ってから巻いているのかも知れません。

更にはバイカー・キャップに合わせてみたりこの頃のお気に入りの様です。

 

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中央のレコードプロデューサーBobby Robinsonは白ベースの3色セーターにジャケットを合わせています。
左はフランキー・ライモン、R&B系ミュージシャンの着こなしは魅力的ですね。

 

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Lot.793 Tri Tone SS Knit
Price…13,800yen(No Tax)
Size…36,38,40
Color…Black , Red , Cream
Material…Cotton 100%

 

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カテゴリー: Information,706union Items

ワートハイマー撮影から60年、エルヴィス1956

2016.03.17

1956年3月17日はCBSテレビDorsey brothersの ‘Stage Show’に出演、そして写真家のワートハイマー氏がエルヴィスを最初に撮影した日なのでこのブログを書いている本日は、ちょうど60周年にあたります。

この写真の撮影日3/17はBlue Suede ShoesとHeartbeak Hotelを歌っていますがDメジャーコードを押さえている様に見えるので、多分Blue Suede Shoesのサブ・ドミナントコードの所「don’t you~♪」辺りでは?と勝手な推測をして楽しんでおります。
この日以降Alfred Wertheimerが撮影した一連の写真は当時のエルヴィスのイメージを決定付ける、素晴らしいカットが多いのですが3/17に関してはカラー写真が一枚も無いので、かえって我々の想像力をかき立てるのです。

まずネクタイは恐らく白いシルク、ニットではない様です。
黒のYシャツは袖がカフスで襟は台襟が付いているにもかかわらず何故か開襟になるタイプで一番上のボタンはループで留めるので右襟下に小さいボタンが付いています、生地は恐らくレーヨンかシルクが混じったものですが大きく横カスリの様な織りで独特の凹凸感があり、不思議なYシャツです。

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パンツはシルクが混じったシャークスキン?、後のコンポラにも割と良くある生地かと思います。
他の日の写真から推測するとモノトーンかも知れません。

靴はスリッポンタイプのCross Strap Shoes。
靴下はダイヤ柄
右手にダイヤモンドのEPリング。
左手はダイヤモンドのHorse Shoeリング。
時計は恐らくロ-ドエルジンまたはエルジン。

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そしてジャケットはダブルのスーツに多いピークドラペルの襟ですが前あわせは 一つボタンの拝みあわせを普通に留めている様に見えます。
色ですが恐らく赤系、エンジかと思います。

 

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4/3のサンディエゴ、USS Hancockの船上で行われたミルトンバールショウ出演時のリハーサルで同じピークドラペルを確認できます。

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カラー写真の精度は良くありませんが右の女性の赤と比べるとエルヴィスはエンジかなと思います。
当時のジャケットに割りとよくある色です。

 

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形は違いますが多分この位の色では?と思います。

3月17日の写真は魅力的な写真が多くレコードジャケット等、様々な印刷物で使用されていますが、着色カラーで我々がイメージするものを見かけないのが残念です。

 

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デニム経年変化【5-Pocket Pants Indigo】

2016.03.16

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ジーンズの経年変化の画像は色々な所で紹介されているので、ここではあくまで画像にある固体のみの結果感想にします。
色落ちはあくまで好みの問題であると思いますが、一例として見て頂ければと思います。

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本来は最初にリジット状態から最初に洗う際に乾燥機で一気にデニムと糸の両方を締めた方が良いと思われますが、乾燥機は一度も使用していません。
100%綿糸を使用しているのでその分、壊れ易い所もありますがそれも味として多少補修しながら履き続けました。

約2年近く経ってますが常には履いていないのと(週1~2回)、マメに洗っていた(月2回)事で色落ちのコントラストは弱い方かと思いますが、これは元々清潔感を残して履きこんだ味を出す事を目指した物です。

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自分のクセだと思いますが右サイドのベルトループだけ傷みます。

毎回、普通の液体洗剤で洗い、色が抜けてもあまりデニムの色がグレイにならない様に意識しました。

本当は汚れが残っている方がヴィンテージ感があるのは間違いないのですが、1950年代のデニムの色落ちを見ていると綺麗に履いていたのか、結果的にぼやけたエイジングでも美しい青が感じられるヴィンテージ物もあったりします。

今回はその辺りも少し意識して履いていった物です。

 

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下はリジット状態、上が今回の物。

写真だと判り難いのですがイエローとオレンジの綿糸が色抜けしてツヤ落ちしています。

デニム本体が色落ちしているのにステッチ糸がギラギラしているのは良くないですね。

 

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レザーパッチは鹿革を使用。

右が洗う前のリジット状態、

中央はワン・ウォッシュして乾燥機使用した為、革がムラ感を残し縮んで少し焼けた様な跡が残りました。

左は今回の物、乾燥機を使わないで天日干しのみ、革がアメ色に変化、ムラ無く均等に縮みました。

 

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カテゴリー: 706union Items

ロイヤルクラウンポマード【ROYAL CROWN POMADE】

2016.03.14

1950年の広告からロイヤルクラウン・ヘアドレッシング。
これはポマードとは違うのですね。

髪を柔らかく自然にまとめられるという謳い文句で女性モデルを使用しています。

現在でも販売されていますが、オリーブオイル主体の艶出しクリームに近い感じで、手に取ると分かりますがちょっと糸を引きそうな感じで非常に柔らかくセット力は無いです。

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現在のロイヤルクラウン。
右がポマード、良く見ると★FOR MEN★と書かれています。
男性用化粧品の扱いですね。

それにしてもエルヴィス使用説の証拠を探すべく色々と画像と文字検索していますが未だ出てきません。
1956年のミルトンバールショウで
「What do you do with your hair?/ 髪はどうしているの」

「What tonic do you use?/ どんな整髪料を使っているの」と聞かれて

「POM!/ ポマード」とエルヴィスは答えています。

しかしブランド名は言わず…

しかしエルヴィスの髪の決まり具合はあくまで柔らかい印象がありMURRAY’SとかNuNileみたいな固いポマードではないと思うのでROYAL CROWNは信憑性が高いと考えています。
以前のロイヤルクラウンはメンフィスの工場で生産してましたね。

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ブライアン・セッツアーもそれを知ってか?
サンレコード・カヴァーCDの中ジャケットでHAIR DRESSINGのデザインをアレンジ使用してます。

最近のYou-Tubeだとリトル・リチャードのROYAL CROWN HAIR DRESSINGのラジオコマーシャルが聴けますね。

 

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『我が道を往く』ビング・クロスビーが着るスタジアムジャンパーとボーダーTシャツ

2016.03.13

1944年アメリカ映画「我が道を往く/Going My Way」アカデミー賞7部門獲得のビング・クロスビー主演映画の代表作です。
心温まるストーリーは戦時中をあまり強く感じさせない今見ても十分楽しめる内容で、現在でも本屋さんとかの低価格名画DVDシリーズで良く見かけます。

Bing Crosby演じるオマリー神父ですが、セントルイス・ブラウンズのスタジアムジャンパーをここでは着用しています。

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カラーだとこんな色だったみたいです。

アメリカ野球史上、最弱球団として人々の記憶に残されているセントルイス・ブラウンズですが、この映画が製作された1944年に唯一のリーグ優勝を果たしています。
それというのも戦時中だった為、他球団の主力選手が兵役で取られていく中、弱小球団のセントルイス・ブラウンズは皆選手が残っていて戦力が落ちなかった?、と言うやや皮肉な話があります。
この映画の舞台はニューヨークですが、セントルイス出身のオマリー神父は不良少年を含む子供達をニューヨーク・ヤンキースとセントルイス・ブラウンズの試合に連れていき、彼らと仲良くなり聖歌隊を結成します。

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このシーンでの少年達のボーダーTシャツは当時を思わせる魅力的なデザインです。
カラーで見たかったですね。

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当時はTシャツは肌着扱いで、この様な柄物は全てKnit Shirtと表記されCombed Cotton,Crew Neck Short Sleevesなどの補足が付く位ですね、子供服を中心に発展していったデザインです。

 

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この映画に出演していた10代前半の子供達は約10年後の50年代半ば、ロックンロール・カルチャーを含んだ若者文化を20歳前後で体験、牽引していく世代です。

この映画が製作された1944年だとエルヴィスは9歳ですから、もしここに居たら最年少の部類ですね。

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1950年代に生まれた遊び心のあるデザインや柄は1940年代から…

既にカラフルな洋服を着ていた子供達が大人になり、影響を与え、昇華させていった物でもあるのでしょう。

カテゴリー: Coordinate

ビリー・エクスタインのシャツ【Mr. B collar】

2016.03.12

 

ビリー・エクスタイン「通称ミスターB」
男性的な色気のあるバリトン・ボイスが人気の歌手であり、バンドリーダーでもあります。
彼の歌う”I Apologize”は初期のエルヴィスも歌っていたと言う説も有るほど人種を問わずヒットした曲だったりしますが、更にはファッション面でも影響力が高く、彼の代名詞でもあるシャツの襟の形状は”Mr. B collar”と呼ばれ50年代前半の若者達にも影響を与え、1954年のLIFEでも紹介されています。

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1990年代にアメリカで製作された初期のエルヴィスの伝記TVドラマのセリフでこんな会話があります。
当時エルヴィスがCOOLな洋服を買っていたランスキーブラザースのショップでのシーン。
ピンクのジャケットにピストルパンツをあわせるエルヴィス。
エルヴィス役の俳優が、バーナード・ランスキー役に向かって。
「これにはミスターBカラーをあわせたいね!」

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後にメンフィスで本物のバーナード氏に、ミスターBカラーの事をたずねると幸運にも身振りで襟を丸くロールさせるポーズを取ってくれた事がありました。
細かく聞けなかったことは今となっては悔やまれますが、形が分かったのは大収穫でした。

ヴィンテージのシャツで”Mr. B collar”を見る事はまず無いのですが書籍などによればロールしたボタンダウンシャツです。
しかし当のビリー・エクスタインの写真で形状はロールカラーでもボタンダウンと分かる解像度の写真がないのです。

 

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ただし1955年にエルヴィスが着用していたボタンダウンシャツも”Mr. B collar”という認識だったからこそ、あのTVドラマのセリフが出てきたのでしょうね。

もう少し細かく調べたいところです。

 

LOT.780 Roll Collar BD Shirt

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カテゴリー: 706union Items,Elvis Presley,Music

隠しスラッシュポケット【Chambray Sports Jacket】

2016.03.11

LIFE 1954年10月号の広告

BERKRAY MEN’S JACKETS、上段の赤ブルゾン商品名”SUEDESTER”スエード素材です。
この形のスポーツジャケットはMcGREGOR製のイメージがありますが、ここに掲載されているタイプは両胸のサドル・ステッチが隠しスラッシュポケットまでラウンドして伸びるタイプ。

Saddle-stitched. Concealed slash pocketsと表記されています。

1950年代になるとそれまではフラップポケットに代表される、いかにもポケットがあると云う事がデザインの特徴になっているものから、単純化されたシンプルなデザインの要素が多く入ったブルゾン、ジャケット、コート類が増えていきます。
車のデザインは50年代後半が派手なデザインのピークですが洋服に関してはもっと早い印象があり、テレビ等の電化製品やインテリアも同様に洗練、単純化されていきます。

蛇足ですがこの日の広告は他にMcGREGORのナイロンアンチフリーズも掲載されていますが価格22ドル95

一方こちらはスエード素材にもかかわらず13ドル95

McGREGORナイロン高額ですね。

 

LOT.762 Chambray Sports Jacket

1950年代のスポーツジャケットを基にシルエットは当時のままに仕上げました。
霜降り状のムラ感のあるシャンブレー素材を使用。

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LOT.762 Chambray Sports Jacket
Price…26,800yen(no tax)
Size…38,40,42
Color…Red,Black
Material…Cotton 100%

 

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Elvis the Pelvisとサイドプリーツパンツ【Side Pleats Pants】

2016.03.10

1956年6月5日NBCテレビMilton Berle Showでの楽屋風景。

この日のエルヴィスは過去のTV出演でのギターを弾きがら(バラードは除く)ロックンロールを歌うスタイルを変えてギターは持たず、マイクを駆使したステージアクション中心のHound Dogを歌います。
その事から翌日の新聞記事を筆頭にメディアから酷評を受けロックンロールは悪魔の音楽とか青少年非行化の原因はエルヴィスの歌にあるなど今で云う””炎上状態”となり以降、逆にエルヴィスが出演する事で皮肉にもテレビの視聴率が一気に上がる現象が起こります。

ちなみにこの年の1月から3月まで合計6回出演していたドーシーショウの視聴率は最後まで18~20パーセントくらいで裏番組のペリー・コモ・ショウは常に30パーセント台、エルヴィスが出演する事での変化は無かった事になります。

しかしながらファッション、パフォーマンス共に、この日の演出はいつにも増して最高でした。
ピンクと黒の切り替えシャツ、パンツはレーヨンでしょうか、横カスリが入っています。どちらも初披露でしょう。
本番ではこの上からラベンダーピンクに白のウィンドウペン柄のジャケットを着ています。

 

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しかもMilton Berle Showはこの時早くもカラー放送だったのでPink & BlackのエルヴィスがTVのブラウン管で前髪を乱し暴れる姿は白黒テレビで視聴した一般層に比べ、当時カラーテレビを所有していた富裕層は更に激怒したのでしょう!
更にこの時点ではまだHound Dogは録音していないので皆初めて聞く曲とパフォーマンスに驚く訳です。
司会のミルトンバールはエルヴィスのパフォーマンスをコメディ的な物として扱う様に努めるのですが、笑い声と絶叫の両方が飛び交う中、富裕層はエルヴィスのパフォーマンスをギャグとして許す事はありませんでした。
以降”Elvis the Pelvis”骨盤エルヴィスと云われる事になります。

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この日に履いていたパンツはサイドに縫い目があり、ヒレの様なプリーツがあるタイプ。
リトル・リチャードが映画「女はそれを我慢できない」で着用しているスーツも同タイプで、かなり太めのパンツです。
エルヴィスのはあまり太すぎないシルエットですね。

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約3ヶ月後、9月26日の屋外ライブ、先程と同じパンツを履いています。
生地が厚手の ベルベット・プルオーバーシャツをパンツインしてウエストがキツイからなのか?
体重が増えたのか?
随分ピッタリとしたシルエットです!
もしかしたらドライクリーニングしないで普通に洗濯機で洗ったのかも?
この日以降、履いている写真は見かけないですね…

 

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同年代に作られたプリーツがあるパンツです。
ダブルの裾幅5cm、裾に向かって軽いテーパードが有り当時のツータックパンツとしては太すぎないシルエットです。

 

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こちらは先のヴィンテージを基に作成した【LOT.751 Side Pleats Pants】
薄手の柔らかい生地で履くと動きのあるシルエットが出るのが特徴です。

こちらのサンプルはダブルの裾幅4.5cmにしてみました。

※製品の裾はロック始末になっております。裾上げダブルでも余裕がある様に股下100cm確保してます。

 

LOT.751 Side Pleats Pants

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LOT.751

Side Pleats Pants

Price… 18,000yen(no tax)
Size… W30, W32, W34, W36
Color… Black、Brick、BK-BR、BR-BK
Material…Tencel 65% Cotton 35%

 

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オリエンタルテイストな【Mandarin Collar Shirt】

2016.03.09

DIG magazine 1957年1月号から。
ロックンロール・カルチャーを中心とした若者向けの雑誌です。

WHO’S COOL?のコーナーでMandarin Collar Shirtが紹介されています。
【Mandarin Collar】中国風の襟、スタンドカラーを当時のアメリカではマンダリン・カラーとしてオリエンタルブームに乗り短期間ですが半袖、長袖シャツを発売しています。
これはプリントシャツで浮世絵風の絵がいくつかコラージュされています。

もしハワイアンシャツでこの柄だったらプレミア間違いないでしょうか?

 

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エルヴィスが洋服を購入していた地元メンフィス、ランスキーブラザースの広告。
ロックンロール的な言葉が散りばめられている中にMandarin Collarの紹介があります。
そして以下の3カットはおそらくランスキーブラザースでMandarin Collar Shirtを購入したと思われる方々です。

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右のデューイ・フィリップスはメンフィスで数多くのロックンロール曲を紹介してきたラジオDJです。

エルヴィスのThat’s All Rightを発売前にサンプル盤から、初めてラジオで流し大反響があった伝説のDJとしても知られています。
中国風の刺繍らしい柄にフロント切り替えし、かなりクセのあるデザインです。

 

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エルヴィスの付き人で従兄弟のジュニア・スミスはナッソーとの組み合わせ、恐らくCarmel。
襟部分にオリエンタルテイストなプリントがある様に見えます。

 

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そしてエルヴィス。
襟部分に太めのリボンを通してアクセントを付けているモデル。

ブランドは恐らくCali Craft
袖部分にもあるはずですがロールして隠れていますね。
どれも東洋的なモチーフが入っていますが、どんな感覚で当時の若者達が着用したのか?
不思議に思います。
Mandarin Collar Shirtは当時の写真で見る限り1956~1957年のほんの2年間くらいしか見かけません。
シアーズカタログの様な一般的なカタログには掲載されていないのですが、ほんの一瞬ではあるけど流行ったアイテムなのでしょうね。

 

LOT.726 Mandarin Collar Shirt

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LOT.726
MANDARIN COLLAR SHIRT
Size…36,38,40
Color…WHITE, BLACK, PINK

 

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