映画「LOVELESS」ラブレス
2016.05.05
1982年公開作品。
1960年代初頭のアメリカ南部を舞台にした奇妙な事件を、ジェームズ・キャメロンの前妻であり、「ハートブルー」を監督したキャスリン・ビグローが「ワイルド・アット・ハート」のモンティ・モンゴメリーと共同で監督。
その映像は全編がマーロン・ブランドの「乱暴者」、ケネス・アンガー監督の「スコルピオ・ライジング」に通じるもの。
正にカルトバイカームービーの秀作である。
主演のウィレム・デフォーは、1980年にデビューした俳優で、初出演作では登場シーンがカットされていた為に、本作品が実質上のデビュー作にあたる。
新人とは思えない堂々たる雰囲気、狂気的な雰囲気は既にこの時から持っていたのは驚きだが、地で行っているのではないかと思うほどレザーの着こなし、ヘアスタイルが様になっている。
2年後に公開される「ストリート・オブ・ファイヤー」でも同じくレザーにグリースヘアーで登場しているが、ちょっとコミカルな雰囲気で本作のスタイルの方が断然クール。
その後「ミシシッピーバーニング」という南部の人種差別問題を追った作品にも主演で出ているが、アメリカ南部に絡んだ作品にゆかりが深いのもロックンロール的な流れを感じてしまうのはこじつけか・・・・
この映画に出て来るウィレム・デフォーの仲間が皆クールすぎて、それぞれの着こなしや、バイクからも目を離せない。
ロカビリーシンガーのロバートゴードンも挿入歌も提供しながら、クレイジーな役柄を演じきっている。
デイビスのハーレーキャップの被り方、リーゼント、もみ上げは数日前のブログで取り上げた「バイクメ~ン」のドトキンのイメージのベースの一つになっているのは明らかだ。
このもみ上げ・・・サイドバーンズ・・・髪型・・・ボーリングシャツ・・・80年代のロカビリーシーンならではの雰囲気が素晴らしい。
バイカーキャップを思わず被りたくなる美しすぎる男達・・・・。
ナイフで遊ぶ50s的な不良の生活形態・・・・
直立の運転角度に美しさを感じる・・・・
カルトムービーらしい独特のテンポの展開だが、全体に流れる不良の香りが超一級。
バイカーでなくても、着こなし等の参考に大いになる映画。
今は入手困難な作品らしいが、50’s、バイカー、ロカビリーに興味を持ったら絶対に見ておきたい。
カテゴリー: Music