50s ロカビリー・ファッション-ナッソージャケット 50s Rockabilly Fashion-Nassaw Jackets
2013.05.01

1950年代のロカビリー・ファッションをアイテム別に紹介していきます。
50年代のロカビリー・ファッションと言っても、厳密な意味では当時ロカビリーファッションという名前でカテゴリーがあったわけではなく、アメリカのエルヴィス・プレスリーをはじめとしたミュージシャンのファッションや、「乱暴者」のマーロン・ブランドや「理由なき反抗」のジェームス・ディーン等の映画俳優の服装がアイコンとして50’sロカビリーファッションとして現代においてカテゴライズされていったものです。
又、日本では80年代以降アメカジ、古着が大流行してメンズ・ファッションとして定着化していた過程で、日本独自のロカビリー・ファッションのアイテムになっていったものも少なくありません。
スカジャン、アロハシャツなどがそうでしょう。
又50年代当時はエルヴィスが発端なのは間違いないながら、ロックンロール、ロカビリー・ムーヴメントは世界中に飛び火し各国独自のロカビリー・ファッション・スタイルが出来上がっていきました。
そういった意味で50’sロカビリー・ファッションの正しい定義は非常に難しいのですが、50年代のアメリカの文化から出たものを基準にセレクトしました。
アイテム別に紹介していきたいと思います。
第一回目「ナッソージャケット」
元々はリゾートで着用することを目的に、富裕層向けに作られたジャケット。40年代から存在していました。
通常のジャケットに比べ、襟が丸みを帯びた形をしていて、ゆったりしたシルエットが特徴。
形のは様々なものが存在。
元々富裕者向けの物でしたが、50年代中期には若者もカジュアルファッションとして取り入れていました。
1954年にデビューしたエルヴィスが着用し、56年に全国区になった時にプライヴェートを中心に愛用した為、その後のフォロワー達も愛用し、ロックンロール、ロカビリーファッションの定番として認知されていきます。
Carmelを着用する1956年のエルヴィス。白地に黒のネップが飛んでいるレーヨン素材のジャケット。
1.「Hollywood Sports Wear」(ハリウッド・スポーツ・ウェア)
こちらは現時点で40年代のヴィンテージ物が確認されていることから40年代からハリウッド拠点に営業していたブランドと推測される。
同ブランドのナッソージャケットのラインには「Hollywood Sports Wear」(ハリウッド・スポーツ・ウェア)、「Carmel」(カーメル)、「Capistrano」(カピストラーノ)の3つのシリーズがある。
大まかに「Hollywood Sports Wear」(ハリウッド・スポーツ・ウェア)では3つポケット、ないしは4つポケットの襟が丸いナッソージャケットが多い。袖口は通常のジャケット同様のもの。中には「Carmel」(カーメル)と同じ形のものも存在する。
生地はウールからレーヨンまで幅広い。
50’sファッションを愛する人たちに最もポピュラーなナッソージャケットの形「Carmel」(カーメル)。
エルヴィス・プレスリー、エディ・コクランをはじめ様々な人が着用した。形もさることながら生地のバリエーション、カラーバリエーションが最も豊富。特にレーヨンのネップ生地の物は人気が高い。
エディ・コクランはボディとネップが同系色のCarmelを着用。
黒、もしくはこげ茶のボディに白、もしくはピンクのネップが飛ぶCarmelを着用するエルヴィス。
「Capistrano」(カピストラーノ)は「Carmel」(カーメル)のシンプル系ともいえる形で前身頃の始末や、裾の始末がシンプルに改良されている。生地はストライプがほとんどで、写真でのみ単色が確認されている。
他のバリエーションが存在したかは現時点では不明。
エルヴィス・プレスリーやボブ・ルーマンが愛用した。
ヴィンテージのCapistrano。こげ茶ベース。この他に緑、赤ベースの存在も確認されている。
Capistranoを着用する1957年のエルヴィス。セントクリストファーのネックレスを着用している。
Capistranoを着用する1957年のボブ・ルーマン。彼はエルヴィスの影響を色濃く受けた一人。
着用の仕方としてはオープンカラーシャツや、マンダリンカラー(スタンドカラー)、ポロシャツを当時の人は合わせていた。
パンツはツータックスラックスを合わせるのがポピュラーだった。
しかし、元々カジュアルジャケットなので、インナーにTシャツを合わせている当時の人の写真も残されています。
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是非ご覧ください。