ブルー・スエード・シューズ
2016.02.29
“COUNTRY SONG ROUNDUP”1956年8月号
エルヴィスとカール・パーキンスが表紙を飾っています。
カントリーソングの雑誌ですがエルヴィスの「Heartbreak Hotel」カールの「Blue Suede Shoes」
ともにビルボード誌のポップス、カントリー、リズム&ブルース3部門で大ヒットしているのでカントリー誌でも大々的に取り上げられました。
まだ、ビルボード・ヒットチャートにロック部門が無かった時代特有の面白い現象です。
1950年代のロックンロールの歌詞の内容といえば今夜は大騒ぎしよう!とか、俺の彼女は最高…、または彼女が居なくなり淋しい…等の歌詞が多いのですが、それらは古くからのブルースやカントリーにもよく見られる内容でした。
そんな状況のなか「ブルー・スエード・シューズ」が1956年になり全米チャートを昇っていきます。
「なにをやっても構わないけど俺のブルースエードシューズだけは踏むな!」
自分本位で反抗的な内容はその後のロックンロールの歌詞の方向性にも影響を与えていきます。
全米ヒットした最初のロックンロールといえば、ビル・ヘイリーの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が有名ですが、意外にもロックという単語が歌詞に無い「ブルー・スエード・シューズ」の方が総合的にみてロックの基盤を作った意味では重要な気もします。
しかし皮肉にもこの曲はエルヴィスがライブステージで多く歌っていた事から一般にはエルヴィスの代表曲と思われています。
そこには本家カール版をヒットさせる為に、カヴァーレコーディングをエルヴィスにアドバイスして、結果どちらがヒットしても印税が入る事になるサンレコード社長サム・フィリップスの思惑も垣間見えますが、エルヴィスのお気に入りだった曲であるのは間違いないでしょう。
1956年1月にカールの「ブルー・スエード・シューズ」が発売されますが、エルヴィスは2/11の全米TV「CBS ‘Stage Show’」ドーシーショウで「ブルー・スエード・シューズ」を歌います。
この時点ではエルヴィス自身はまだレコードでは発表していないのにカールより先にテレビで歌ってしまうのです。
エルヴィスはドーシーショウで合計6回の出演契約を結びますが、更に5回目の3/17でも歌っていて、この頃には、カールも遅れながらも人気番組ペリー・コモ・ショウでの3/24TV出演契約を果します。
しかしそれはエルヴィスが出演するドーシーショウと同じ時間帯、裏番組にあたります。
その為エルヴィスは「ブルー・スエード・シューズ」の替わりに「マニー・ハニー」を歌うことにしますが、不幸にも3/22の夜明け前にカールのバンドは移動中に交通事故に遭い出演出来なくなります。
エルヴィスのバックバンドは出演前日に彼らを見舞いに訪れているので、エルヴィスもこの事は知っていますが、カールが歌う予定だった「ブルー・スエード・シューズ」は歌わないで結局「マニー・ハニー」を選択します。
その後、エルヴィスは4/3に「ABC’The Milton Berle Show’ 」ミルトンバール・ショウで「ブルー・スエード・シューズ」を歌いますがジャクソンで療養中のカールもTVでその姿を見たと云われてます。
本当だとしたらそれも皮肉な話です。
4/21にはライブ復帰を果したカールは5/26に念願のペリー・コモ・ショウで「ブルー・スエード・シューズ」を歌いますが、丁度その頃には100万枚ミリオンセラーヒットにまで到達しています。
当時のカール・パーキンスが最も輝いていたのはこの時だったのかも知れません。
満を持してのカールTV出演からほぼ1週間後、6/1にエルヴィスは休日にも関わらず、カールなどのサン・レコード歌手が出演するメンフィスのOverton Park Shellのイベントに現れます。
これはその時に撮られた写真でおそらく復帰後初の再会…
後年カールはエルヴィスに冗談半分で「俺のブルー・スエード・シューズを踏むなんてひどいじゃないか」と言ったという話をしている様ですが、そんな会話が有ったとしたら恐らくこの時では?
Lot.737 Blue Bucks Shoes
起毛したレザーの中でも特に美しいヴィジュアルを持つスーパーバックスを使用。
履きこむ事で経年変化が楽しめ、1950年代のヴィンテージシューズと見分けが付かない雰囲気を醸し出すでしょう。
カテゴリー: Elvis Presley,Music
【傷だらけの栄光】ポール・ニューマンの着こなし
2016.02.28
1956年の映画「傷だらけの栄光・Somebody Up There Likes Me」
ストーリーも良いけど主演のポール・ニューマンの着こなしが魅力的な一面もあり、見逃せない映画です。
各シーンで注目するファッションが登場するのは、ボクシング映画としては意外な感じもするのですが…。とはいえ当時のニューヨークスタイルの不良的着こなしが多く感じられる映像は今見ると注目すべき点が多く見受けられます。
このシーンは1940年代の設定ですが肩幅広め、ショート丈のコート、Vゾーンが広く開くタイプでジャケットの様にも見えるタイプです。
通常この手のコートには襟付きシャツを合わせる所ですがこれは襟なし、しかもスウェットシャツに見えます。
よく見ると襟首の前身頃にV字の縫い、Vガゼットが確認できます。
40~50年代に良くあるタイプのスウェットですね。
帽子は恐らくフェルト製のソフトハット。
パイピング仕様のブリム。
通常は両サイドがくぼんだ中折れハットに多いデザインですがどうもくぼみが無い様に見えます。
おそらく頭頂部の中央部分を無理やり折り込んで浅めのクラウンに変えたからではないかと思われます。
スウェットが丸見えなVゾーンの深いショート丈コートに対してドレスダウンしたソフト帽、1940年代にしては現代の着こなしにも通じる魅力的なシーンです。
カテゴリー: Coordinate
クロスストラップシューズ【Cross Strap Shoes】
2016.02.27
靴ひもを結ぶ必要のない靴、いわゆるスリッポンシューズは1950年代あたりからタッセルローファーやコインローファーがアメリカ東海岸で学生からビジネスマンにも定着した影響でそこから派生したと思われる面白いデザインのスリッポンシューズが50年代半ばには多く登場します。
これはその中のひとつ、”Cross Strap Shoes”
アメリカ全土に知れ渡るシアーズ通販カタログでも短い期間しか掲載されていないユニークなデザインです。
当時のマイナーブランドを含めた場合、実際にはこれらのスリッポンシューズが多種存在し、消えていったと想像できます。
”Cross Strap Shoes”を履くエルヴィス
1956年のエルヴィス・プレスリーからも多くのスリッポン・シューズを履いている写真が確認出来ますが恐らくライブでの着替えを楽にする事からも、靴紐をいちいち外さないで済むスリッポンシューズが最も重宝されたのではないかと思われます。
それというのもエルヴィスがライブ中にスリッポン・シューズを多く履いている期間が1956年の前半に集中する事からも推測出来ます。
1956年に入りRCAレコードから初の全米ヒット第一位に輝いた「Heartbreak Hotel」によってそれまで沢山のカントリーシンガー達と一緒に巡業に回り、良くて1日ワンステージで数曲歌うのが普通だった仕事が劇的に増えます。
昨年までのジョニー・キャッシュやワンダ・ジャクソン、ビル・ヘイリー、バディ・ホリーなど他のシンガー達と混じり歌うイベント等のステージでは人気とギャラの面からも不都合となり、エルヴィスは単独でライブを行う事になります。
大体の場合前座に手品、漫才などのボードビルショウがあり、その後に30分くらいのエルヴィスのショウがありますが、それは大体1日2回から4回ほど行います。
現在のロックアーティストは一回のライブで2時間弱が普通ですが、30分を入れ替わりで4回は舞台演劇に近い形態、今とは違いますね。
1956年のエルヴィスは激しいステージアクションが売りですから、当然汗だくになり毎回シャツなど着替えが沢山必要になります。
その度に靴を脱ぐわけですから断然スリッポン・シューズの方が好都合だったのでしょう。
LOT.719 Cross Strap Shoes
アッパーにはベビーカーフを使用し、レザーソールの仕上げにまでも一切の妥協を許さず製作。
特に欧米ならではの力強く丸みのあるカウンターの再現を追求した事により、デザインと履いた時のフィット感を完璧なものにしました。
グッドイヤーウェルト製法にてトップクラスのドレスシューズとしてリリース。
ホワイトステッチも目立ち過ぎず、当時のイメージを大切にした上品な仕上がりです。
カテゴリー: 706union Items,Elvis Presley
IDブレスレット【Skinny ID Bracelet】
2016.02.26
I.D.=本人証明
いまだIDカードは存在しますが、1940~1950年代のI.D.ブレスレットには、ドックタグと同じく軍の所属部隊や名前が記されたものが多く残されています。50年代の映画にも見られますが、軍に限らず、当時の若者達も使用しファッション・アクセサリーとして流行しました。
所属部隊の紋章を型どったものや、モーターサイクルカルチャーでも様々なタイプが存在しますが、形状は1950年代のSPEIDEL社などにあった洗練されたイメージに近いかと思います。
LOT.748 Skinny ID Bracelet
706unionとして拘ったのはシルバー表面はあえて鏡面仕上げにしないヴィンテージ風合い・側面は波状デザインにしたところ。
ここに「Flat curblink chain」などと当時の広告などでも謳われているチェーン面が平らなタイプを選びました。
洗練されたデザインでありながらどこか無骨さも感じられる、クラシカルな魅力に溢れるブレスレットです。
LOT.748 Skinny ID Bracelet
Price…38,000yen(no tax)
Size…S:20cm, M:21cm
Color… Silver
Material…Silver925
カテゴリー: 706union Items
CLUTCH Magazine Vol.48 最新号【クラッチ・マガジン】
2016.02.25
CLUTCH Magazine Vol.48 最新号(2/24発売)
連載中の“UNKNOWN’50s ”meets…にて、
新作のウエスタン・ジャケットが掲載されています。
【Vol.24】Western Jacket
カテゴリー: Press
【Western Jacket】50sヴィンテージを再構築したウエスタンジャケット
2016.02.24
1950年代のウエスタンジャケットを再構築。
新作のウエスタンジャケットをご紹介。
今回は1950年代に存在したウエスタンジャケットのデザインの中でもあえてシンプルなものをセレクト。素材にはコットンピケを採用し、ウエスタンスタイルに縛られず、幅広い自由な着こなしを楽しめる一着に仕上げました。
漆黒のボディに綺麗な曲線を描いて走るホワイトのレーヨンパイピングやパールボタンのコントラストが、際立つデザインです。サイドリブの仕様なので腰にピッタリと収まるシルエットもポイント。50年代当時のシルエットよりも、タイトめで着丈もやや長めに設定。裏地にはキュプラを採用することでヴィンテージのレーヨン製ウエスタンジャケットのような動きやすさも確保しています。
デニムはもちろん、ワークパンツなどにも合わせやすいウエスタンジャケットです。
LOT.790 Western Jacket
LOT.790 Western Jacket
Price…27,500yen(No Tax)
Size…36,38,40
Color… Black
Material…Cotton 95%, Polyester 5%
カテゴリー: Information,706union Items
ヴィンテージ・ミリタリーリングをモチーフにした【Star Ring】
2016.02.22
アメリカの古きよき時代のリングには、ミリタリー、カレッジ、メキシカン、ネイティブなど様々な形があります。数あるリングの中から、軍の上級士官が付けていたタイプのミリタリーリングをモチーフに再構築しました。中央にはあえてワンスターを配置。
1950年代のモータサイクルキャップやモーターサイクル・ジャケットのエポレット部分の装飾などで人気のあったモチーフ“ワンスター”と、アールデコを感じさせるミリタリーリングの力強い流線型デザインが融合する事で、実際には存在しないが確実にアメリカ黄金期を感じさせる新しいリングです。
LOT.744 Star Ring
SILVER…27,000yen(no tax)
BRASS …19,000yen(no tax)
カテゴリー: 706union Items
デザインで時代判別が難しい50sのYシャツ
2016.02.21
シャツの襟は1950年代に入ると、それまで長めに尖っていた襟の形状が1960年代へ近付くにつれて小さくなっていく傾向があります。
それはネクタイを締める事が出来るタイプのYシャツ等も同様でした。
画像の広告は1954年のLifeからですが大体このくらいが当時の平均的なシルエットでしょう。
ネクタイもそれほど太すぎずスタンダードな感じです。
だだしネクタイは50年代後半になるにつれ確実に細くなっていくのに比べ、シャツの襟の形状は変則パターンや、それに合わせた異素材の、50sの時代性や流れに当てはまらないシャツが多々あり、当然ながら定着しないで消えていった面白いデザインも存在します。
現在のヴィンテージ市場でシャツに限らず年代物を見分ける場合、第一印象はデザインで判りますが、続いて素材…そのどちらにも当時らしさが無ければ普通はスルーするアイテムも最終的にはタグを見て大体納得する事ができます。
それでもタグは50sデザインなのに本体は自分のイメージの50sではない物にぶち当たる事があります。
数年前のはなしですが、襟の形状で年代の判別に少し疑問を持ちながら入手したヴィンテージシャツが有りました。
しかし、ある映画を見て解決した事があります。
Rock Baby-Rock It(1957)
1957年のロックンロール映画Rock Baby-Rock It
Johnny Carrollの歌うシーンはEton Hallタイプの2トーン切り替えしジャケットで人気がありますが、実はここで着用しているインナーシャツも面白い物を選んでいます。
若干透けて見えるのが判るでしょうか?
他のシーンではジャケットを脱ぎネクタイを首からぶら下げ、シャツを披露。
素材は通常婦人服で多くあるレース生地で肌が透けて見えてます。
当時としては、かなりセクシーです。
引きのアングルで形状が判り難いと思いますが色は恐らく黒で、胸は左右にポケットがつくタイプです。
後のシーンでは同型の白を着用しているみたいです。
ずいぶんと襟は大きい印象です。ネクタイの結び目が小さいから余計にそう見えますね。
この後ジャケットを脱いだシーンをみると袖はカフスが入るタイプ。
せっかくの映画だし全貌を見せないと勿体無いですからここで脱いでくれてありがたいです!
このシーンがカットされなかった事に感謝!
昨年に製作販売した、エルヴィス・プレスリー着用の物とほぼ同型の半袖開襟レースシャツをデザインした際、参考のひとつにしたヴィンテージシャツです。
これはステージ衣装として使う以外、用途があまり浮かびません。
ポケットは無いタイプ、カフスも付きませんが先ほどのジョニー・キャロルのレースシャツに近いタイプです。
襟の形状もロング・ポイントで素材はレースにも関わらずネクタイを締める事が前提の形になっていて、ちゃんと台襟も付いています。
なのでYシャツと言っていいでしょう…
最初にこれを見つけた時、タグは50年代なのにずいぶんと襟が長めなのが気になっていましたがジョニーの映像を見て納得しました。
ちなみにジョニー・キャロルはエルヴィスが着用していたタイプの半袖開襟レースシャツも所有していて1956年のデッカレコードの録音で着用していた写真が最近公開されています。
映像を見れば分かりますが髪型、衣装、アクション、エルヴィスの影響を受けている当時のシンガーとしては一番計算された演出で50年代にして既にマニアックと言って良いでしょう。
カテゴリー: Select Items
50年代のハリウッド映画でみるナッソージャケットの着こなし
2016.02.20
フレッド・アステアなどが主演の1953年ハリウッドミュージカル映画「バンド・ワゴン/The Band Wagon」
出演者のジャック・ブキャナンが着ている2-tone Hollywood Jacketですが、いわゆるナッソージャケットの着こなしとしては、本来の役割を果たしているかの様な自然な流れの着替えが本編シーンにあります。
舞台から降りて王様の衣装からすぐに付き人が衣装を脱がせ、Hollywood Jacketを着せるシーンですが、この映画のストーリー演出は恐らく舞台俳優さんが控え室ですぐに本番の衣装にも着替えられる様にとりあえず待機用のジャケットに着替える様子。
たとえば格闘技の試合でガウンを着て待機するのと同じ感覚だったのではないかと思います。
ならばガウンでも良い気もするのですが、この映画はミュージカルなのでこのあと急に歌とダンスのシーンがあり、見栄えの良い2-tone Hollywood Jacketを選んだのではと思われます。
肌着の上から Hollywood Jacket、そしてVゾーンにはスカーフ!
まさに部屋でガウンを着てくつろぐ姿と同じバランスの着こなしです。
この映画が撮影された1953年は、まだロックンロールを中心とした若者文化も一般的に認知されていませんでした。今でこそ2トーンカラーのジャケットと云えば“ロカビリージャケット”の印象がありますが、実際には元々ハリウッドミュージカルやカントリー・ミュージックのシンガー達に愛用されていた経緯があります。当時のロックンロールシンガー達が着用していた事に間違いないとは言え、2トーンカラーのジャケットがロカビリーのイメージで定着するのは、ヨーロッパで50年代のロックンロールが再評価され始めた1970年代の終わり頃からでしょう。
Hollywood style jacketシーンの後はガウンが出てきますがスカーフを巻きソファーで寛いでいます。
靴はやはり履いたままです。
1940~50年代のハリウッドミュージカルらしいシーンですね。
この頃のHollywood style jacketにはこういったガウンに近いイメージがあったのでしょう。
テレビが普及し始めた1950年代前半には部屋でテレビを見るときに着るジャケットとしてガウンを「TV Jacket」と名付けている広告も見られます。
こういった境界線が曖昧で自由なデザインが多く登場した1950年代らしいネーミングですね。
同じ形でも“ナッソー”と呼んだり“ハリウッドジャケット”と呼ばれたりするのも、それだけ当時の売り文句が重要だったという事です。
カテゴリー: Coordinate
ヘンリーネック・スウェットシャツの着こなし
2016.02.19
クラシカルなデザインの七分丈シャツというと、頭の中に思い描くのはボートネック。
ブレスレットや時計などのアクセサリーが引き立つ、薄手のスウェット素材の七分丈があれば…そんな思いから生まれた、季節を問わずに活躍する七分丈のヘンリーネックシャツです。
ヘビーウエイトな裏毛を避け、薄くて軽く、且つ肌触りが心地よい質感に拘りました。ジャズネップ生地の奥深い表情が特徴的です。ジャケットやブルゾンのインナーとしても重宝出来るよう、細めのシルエットに仕上げました。襟付きシャツのインナーとしても使えます。
Jacket:LOT.753 Capistrano Nubby Fleck
ジャケットと合わせてみました。
着丈は長めに設定しているので肌着と解釈してパンツインする事も可能です。
ジャケットのシルエットも崩れずに着こなすことが出来ます。
LOT.773 Jazz Nep Henry Neck 3/4 Sleeve
LOT.773 Jazz Nep Henry Neck 3/4 Sleeve
Price…9,200yen(No Tax)
Size…36,38,40
Color…Black , Gray
Material…C75% , Ac15% , P10%
LOT.774 Jazz Nep V Neck 3/4 Sleeve
同素材のVネックタイプ。
襟付きシャツのインナーとして、首元をすっきり見せたい場合はVネックがおすすめです。
LOT.774 Jazz Nep V Neck 3/4 Sleeve
Price…8,200yen(No Tax)
Size…36,38,40
Color…Black , Gray
Material…C75% , Ac15% , P10%
カテゴリー: 706union Items,Coordinate
エルヴィスでしか見かけないボタンダウンシャツ
2016.02.18
エルヴィス・プレスリーは1954年の夏、地元メンフィスにある、R&B等のブラック・ミュージックを中心とした録音やカントリーのシングル盤などをリリースしていたサン・レコードからデビューします。
サンの社長、サム・フィリップスはエルヴィスの声を聴き、それまでの音楽には無い可能性を導き出して新しいタイプの音楽を創造していきます。
それらはロックンロールとか後にロカビリーなどと分類されてこのレーベルの代名詞と成って行きますがサム・フィリップスがエルヴィスに可能性を見出した原因には声は勿論、実はルックスも有ったと思います。
サンに在籍していた1954-55年のエルヴィスは奇抜なアイテムが混じったファッションが多々見受けられ自身が展開する新しい音楽に合わせファッションも色々と取り入れて行く前向きな姿勢が見受けられます。
そんな時代のアイテムは現代のヴィンテージ市場でもあまり出てくる事の無いものが多いのですが、今回注目したのは1955年1月から7月あたりまで愛用したと見られるボタンダウンシャツです。
ボタンダウンといっても通常のものとは違い襟の裏側からボタンを留める変則タイプです。
このタイプは50sのSPORTOPなどのブランドで存在は確認されていますが着用しているのが判る写真となるとエルヴィスくらいで1950年代のファッションとしては一般に認識されていない形です。
新しいタイプの音楽とファッション
襟部分にダブル・ステッチ、襟の裏側は黒い生地です。
このパターンはむしろ最近のYシャツに見受けられ、結果的には半世紀以上時代を先取りしていたとも云えます。
ネクタイを締めていますが。襟芯なども無く生地は柔らかめなのかロールして膨らんだ襟がややシワになって潰れています。
ネクタイを締めるためのシャツなのかいまひとつ判断しかねる不思議な作りです。
1955年2月19日のルイジアナ・ヘイライド出演時。
主にラジオショウを中心としていた、カントリーミュージックのイベントで沢山のカントリーシンガーが歌うなか、司会者はエルヴィスを新しいスタイルのシンガーとして紹介し、数曲歌います。
ですからエルヴィスのファッションは競演する他のカントリーシンガー達と違う路線を選ぶ必要があり、意識的に避けているアイテムも出てきます。
当時のバックバンド、スコッティ・ムーアとビル・ブラックも初期は刺繍入りのウエスタン・シャツでネクタイ姿のエルヴィスに混じりバンド写真を撮っていますが、1955年になると実際のライブ写真ではYシャツにネクタイといったスタイルしか残されていないのでエルヴィスのイメージが特定の音楽ジャンルで固定されないことを考えての選択だったのでしょう。
LOT.780 Roll Collar BD Shirt
カテゴリー: Elvis Presley
ロールカラー・ボタンダウンシャツ 【Roll Collar BD Shirt】
2016.02.17
大きめの襟をロールさせて留めるボタンダウンシャツ。
通常のボタンダウンとは違い襟を反転させて裏から留めます。
生地表面に独特の凹凸感がありドライタッチでさらりとした着心地が特徴のコットンベース素材です。
前立てはシャツの前端が内側に折り返っているフレンチフロントとも呼ばれるシンプルでクラッシックなタイプです。
開襟シャツなどにも多くみられるフレンチフロントはネクタイ無しでもバランス良く軽い感じで着ることが出来ます。
バックヨークにサイドプリーツが入り身幅は細すぎないボックス型シルエット、シャツテール部分は直線でサイドに切り込みが入っているのでパンツに入れないで外に出して調度良い着丈に設定されています。
ヴィンテージ市場でもほとんど見かける事の無い変形ボタンダウンシャツ
フラップポケットやドーム型ボタンなど通常のYシャツの定義にあてはまらない形状は1950年代、実際にあったアメリカ製のヴィンテージシャツからほとんど変える事無く作製しました。
一見奇抜なデザインにも見えますがなクラシカルなハンドステッチやパーツは生地感とあいまって落ち着いた印象もあり、カジュアルからタイドアップのドレスな着こなしまで幅広く着回す事が出来ます。
LOT.780 Roll Collar BD Shirt
LOT.780
Roll Collar BD Shirt
Price…16,800yen(No Tax)
Size…36,38,40
Color…Black, Off White
Material…Cotton 97%, Polyurethane 3%
カテゴリー: Information,706union Items
50sポケットコーム
2016.02.15
髪型を整える為に使うコームには携帯用として使われるポケットコームと呼ばれるものがあります。
良く見られるのが革ケースに入ってスーツの内ポケットに収められる持ち手が付いたタイプ、または持ち手部分から半分に折りたたんでコーム部分が収納されるものがありますがファッション的には画像にある持ち手が付いていないタイプに惹かれます。
ここにあるのは1950~60年代のデッドストックです。
当時はレジの横に置いたりして販売していたのでしょう。
水性ポマードが無く、油性ポマード、リキッド類で整髪していた当時は外出先でもコームで髪を整える作業は今より多かったのでこの手の携帯用コームは手軽で、良く売れたのではないかと思います。
色も沢山あってファッション性も重視されています。
自宅でセットするなら持ち手があるタイプが楽ですがファッションとしてはこの手のものがポケットに入っている方が見た目にコームだと判り面白いですね。
この手のポケットコームはデニムパンツのポケットに入れて少し出したりするのも良いのですが壊れやすいのです。
胸ポケットは落ちやすいのでピン付コームがオススメですが最近は持ち手の無いAce Combタイプはどこも作らなくなってしまい今や50sコームのレア品として認識される傾向がありますね。
曲げても折れない柔らか目のUNBREAKBLEタイプもありますがピン付はHARD RUBERタイプがほとんどです。
1955年SUNレコード時代のエルヴィス、肌が透けて見えるレースシャツにピン付ポケットコーム、透けシャツなのでコーム全体も見えています。
コームを巧く利用して奇抜なファッションを更に魅力的にしていますね!
1956年になると全国的に有名になりますがここでもピン付ポケットコームとボールペンのピンがYシャツの胸ポケットから見えます。
どこでもサインを求められるので胸ポケットにボールペンはファッションと言うより必需品だった様です。
カテゴリー: Coordinate,Elvis Presley
カーコート?スポーツコート?ジャケット?
2016.02.14
1950年代後半にかけてロックアーティストの写真で良く見かけるイタリアンカラーのコートです。
素材には太目の畝が特徴のヴィンテージ加工を施したコーデュロイを使用し前身項の切り替えを利用した4つのスラッシュポケットや、レザーくるみボタン等、細部まで拘り抜いた一着です。
1950年代当時のSUNSET HOUSEのコート、当時は様々なカラーが存在したらしくこのキャメルの他にも濃い目のキャメルや、赤、緑、黒など確認されています。
デュアン・エディ、エルヴィス、エディ・コクラン、アリス・レスリー、ジーン・ヴィンセント出演映画「Hot Rod Gang 」の劇中等、色々と見つけられると思います。
ポートレート写真のエディ・コクラン、ショールカラーのセーターに合わせてます。
ここで着用しているショールカラーセーターはバディ・ホリーと一緒に同じものを購入した事が最近知られる様になりました。
軽いジャケット感覚で羽織り、ポーズを決めています。
実際エディはこのコートを着用してグレッチ6120を弾いてライブを行っていた写真も残されていますし、デュアン・エディは白のコートで撮影してレコードジャケットでも使っています。
グレッチ使用ギタリスト好みのデザインだったのでしょうか?
1958年映画「闇に響く声/King Creole」でのエルヴィス・プレスリー
ここではネクタイを締めています。
これもコートというより軽いジャケット感覚で着用している様にみえます。
リトル・リチャードとエディ・コクランに挟まれた中央のアリス・レスリー、前あわせが逆になっていて当時レディースが存在した事が判り、実際まれに今でもヴィンテージ市場でも見かけます。
これらの写真の着こなしからみてもコートとはいっても冬物アウターとしてのコートでは無くて今で云うジャケット、ブルゾン感覚なのでしょう。
実際アメリカの1950年代当時の広告でもSports Coatと記載されているものとSport Jacketとの違いはなくてCoatとJacketとは基本的に上着という認識で同じ扱いなのです。
これら一連の写真の着こなしを見ても冬物のオーバーコートとして着用してはいないですね。
なので季節を問わずに上手く着こなして頂きたいアイテムです。
LOT.746 Danny Coat
ジーパンはいつから細くなったのか?
2016.02.13
1950年代終わりから1960年代に入ると洋服全般全てスリムなシルエットに変わって行きます。
ジーンズなどもスリムなパンツが主流になりますが、1950年代でもスリムジーンズとまではいきませんがパンツの先を少し細くテーパードさせた2タックパンツなどが1950年代半ば、2-トーンの切り返しやプリーツが入ったピストルパンツ、ステッチ入りパンツを中心に多く見られる様になり通常の2タックパンツとのシルエットの違いが出てきます。
1950年代は若者向けの雑誌に定着せず一瞬で消えてしまったデザインの洋服が沢山みられますが、先細を売りにしたカジュアルパンツなどの広告が存在するのは後の流行を先取りしていたとも言えます。
そういった流れも影響したのか1950年代のリーバイス501はストレートジーンズですが映画などではやや先細に形を変えているのが判る写真が存在します。
1958年映画「闇に響く声/King Creole」でのエルヴィス・プレスリー
ロールアップしたリーバイス501のシルエットがやや細身に見えます。
拡大してみるとロールアップした部分から見えるデニムの裏地、セルビッチ部分の幅がやたら広いのが判ります。先を詰めた分の余りがセルビッチ部分にまわって広くなっています。
1953年映画「乱暴者/The Wild One 」でのマーロン・ブランド。
こちらもロールアップ部分のセルビッチが現行品より広いのが判ります。
1953年の時点でもこの方が良いと判断してシルエットを変えているのは興味深いです。
エルヴィス、マーロン・ブランド共に骨盤は太めなので当時の不良を演出するのには効果的だったのでしょうね。
カテゴリー: Coordinate,Elvis Presley