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最も偉大なドラマー TOP100 D.J.フォンタナ

2016.04.09

Heartbreak Hotelのゴールド・ディスクを眺める4人…
左からビル・ブラック、D.J.フォンタナ、スコッティ・ムーア、エルヴィス・プレスリー。

米ローリングストーン誌が発表した「最も偉大なドラマー TOP100」
今年はエルヴィス・プレスリーのバックを1955年の途中からレギュラーで努めたD.J. Fontanaがいきなり13位という結果になり驚いています。
ちょっと前まで100位にも入っていなかったのですが、これも過去の音楽がネット上で手軽に聴ける様な環境変化のお陰なのか?逆に自分が10代の時に常に人気投票1位だったCozy Powellが50位とは時代の流れを感じさせます。
そもそも「最も偉大なドラマー TOP100」ですから上手いドラマーTOP100では無いのですよね!
ですからD.J. Fontanaが再評価されていく最近のアメリカの状況は素晴らしいと思います。
彼は上手いドラマーというより印象的なフレーズをロックンロールの名曲に残した方です。
元々彼はテキサスで行われていたラジオ番組を中心としたカントリー&ウエスタンのイベント、ルイジアナ・ヘイライドの専属ドラマーです。
1956年にエルヴィスのバックバンドでTV番組(ミルトンバールショウ)に出演した際は、JAZZドラムの名手バディ・リッチ、ハリー・ジェームス楽団と同じステージだった為、自分達の技術力の無さに恥ずかしい思いをしたと後に語っています。
しかしエルヴィスのバックを仮にバディ・リッチの様な名ドラマーが努めたとしたらHound DogやJailhouse Rockなどのシンプルな機関銃ドラムは生まれなかった事でしょう。
1950年代の上手いドラマーは音の強弱が絶妙で当時のロックンロール曲でもジーン・クルーパを彷彿させるリムショットの音を混ぜたスネア音が甲高いフレーズが出てきたりします。

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しかしD.J. Fontanaのスネア音はあまり強弱は無く悪くいえばドタドタした重い感じ、でもそれが逆に良く、パワフルなロックンロール・ドラムはエルヴィスと相性が良いのです。
1950年代、エルヴィス・ヴォーカルの強弱、リズム感は通常シャッフルのリズムとして捉える曲のフレーズでも8ビート、または16ビートとも云えるリズムを感覚的に盛り込み混ぜている上に声質も使い分けています。

本当に掴みどころの無い印象です。
この完全コピーが難しいエルヴィスのリズム感に対してシンプルに打っていった彼のドラムこそエルヴィスの歌を特定の型にはめ込まずに最大限に生かしていたと考えるのです。
彼が技巧派ドラマーでは無く空気の読めるドラマーだったのはルイジアナ・ヘイライドで色々なタイプのヴォーカルのバックを努めたからかも知れないですね。

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エルヴィスのネクタイを後に廻り締めてあげるD.J.フォンタナ。

このカットだと判り難いですが彼のジャケットはシャークスキンタイプのCarmel
当時のステージ以外の写真を見るとファッションセンスもエルヴィスに近い洒落物です。


カテゴリー: Elvis Presley,Music

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