アーサー・クルーダップ【That’s All Right】
2016.03.23
エルヴィスが最初に発売したシングル盤は”That’s All Right”
オリジナルはアーサー”ビッグ・ボーイ”クルーダップのブルース曲です。
アーサー・クルーダップ自身がエレキギターを弾きながら歌い、バックはスラッピンベースとドラムのみの3人編成。
ロックでいう3ピースバンドのスタイルです。
エルヴィスが彼の演奏に魅力を感じたというのは想像に難くないのですがそもそも何故このブルース曲を知っていたのか?
この曲That’s All Rightは最初に発売された1946年当時はあまりヒットしておらず、後にエルヴィスがRCA移籍後カヴァーした”So Glad You’re Mine”の方がR&Bチャートで3位まで上昇しています。
彼にとっては当時はそちらの方が代表曲でした。
40年代後半それまでの78回転SP盤から新しいタイプのレコード盤が開発発表されコロンビアは33 1/3回転のLPレコード、RCAビクターは45回転を発売して競うことになります。
1949年RCAビクターは人々の目を引くカラーレコードで45回転レコードを発売、当時の広告を見るとクラシックは赤、カントリーは緑、子供向けは黄色、リズム・アンド・ブルース(Blues and Rhythmと表記)はサクランボ色。
そこでアーサー・クルーダップに白羽の矢が立つのです。
最初のCerise(サクランボ)Color盤は”That’s All Right”でした。
カラー盤が発売された1949年のエルヴィスはヒュームズハイスクールへ通う14歳でおそらくラジオも色々と聴いていたのでしょう。
当時エルヴィスが住んでいた南部メンフィスはブルース専門のWDIAなどのラジオ局もありましたが、通常のラジオ局でもRCAビクターから発売されるカラー盤はジャンル問わずオンエアした可能性があり”That’s All Right”はその時に聴いたのでは?
エルヴィスは後に「目標があったとしたらアーサー・クルーダップのような存在になることだった。彼を観た時(聴いた?)にあんなふうに演りたいと思ったんだ」と答えています。
エルヴィスは彼を含めたデルタ・ブルースシンガーに敬意を称してこう呼んでいます。
「Real Low Down Mississippi Singers…」
LOT.786-01 Mississippi
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